皮脂やアカが毛穴に詰まってできた黒ニキビや白ニキビにアクネ菌が増殖すると、
炎症が起きて、赤く腫れてしまいます。
これが赤ニキビです。
つまり、黒ニキビや白ニキビを悪化させているのがアクネ菌というわけです。
アクネ菌は、だれの皮膚にも存在する常在菌で、
空気が少なく脂肪の多い場所を好むという性質があります。
ですから、毛穴が詰まって空気の流入が大幅に減少し、
しかもそこに皮脂などがたまっている場合は、
アクネ菌が増殖するのに非常に好都合な場所なのです。
実際、体の中でも皮脂の分泌量が多い場所(顔、胸、背中など)は、
アクネ菌の菌数も多く、ニキビが多くできる部位でもあることがわかっています。
毛穴に皮脂やアカが詰まってコメドの状態では、
皮膚を清潔に保つことで黒ニキビや白ニキビが治る可能性もあるのですが、
同時にコメドはアクネ菌の絶好の繁殖場所でもあるため、
とりわけ皮脂の分泌が盛んな思春期はどうしても赤ニキビへ進行してしまいやすいのです。
アクネ菌が増殖しはじめると、
その部分は炎症を起こして赤く腫れます。
アクネ菌が作り出す酵素によって、
毛穴に詰まった皮脂やアカが酸化されて炎症が広がり、
やがて膿を持つようになります。
これを膿疱といい、指でふれると少し熱っぽく感じられることもあります。
アクネ菌はポルフィリンというオレンジ色の蛍光性の代謝物を分泌しているので、
この段階で専門クリニックで肌を検査してみると、
感染しているかどうかがすぐわかります。
もし痛みを覚えるようでしたら、
皮膚の深い部分に炎症が起きている可能性があります。
これを膿腫といい、皮膚の表面の部分にできる膿疱よりも治りが遅いのが普通です。